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2023
09.13

発見+PLUS

日本一の産地の使命

北海道産玉ねぎを毎日の食卓に

ホクレン農業協同組合連合会 種苗園芸部 玉ねぎ馬鈴しょ課 瀧澤 真悟

  • 和洋中と幅広い料理に欠かせない「玉ねぎ」。ところで「玉ねぎ」は、根、茎、葉のどれにあたるかご存じですか?実は鱗茎(りんけい)という葉の部分を食べているのだそうです。以上、豆知識でした。
    さて今回は、日本一の産地、北海道の「玉ねぎ」について、ホクレン玉ねぎ馬鈴しょ課の瀧澤がご説明いたします。

    ホクレン農業協同組合連合会
    種苗園芸部 玉ねぎ馬鈴しょ課
    瀧澤 真悟

日本一の収穫量を誇る北海道産玉ねぎ

  • 北海道産玉ねぎの出荷量は約63万tで、全国の出荷量の約63%を占めています。(農林水産省「令和3年度 野菜生産出荷統計」より)平成元年の時の割合は約37%でしたが、先人の生産者による安定した作付と生産技術の向上により、生産量の拡大と北海道ブランドの形成に取り組んだ成果として現在の姿があります。
    北海道内では特にオホーツク管内の生産量が多く、北見市とその周辺では約24万t(全道の約39%)の出荷量となっています。(農林水産省統計データ参照)

いろいろな種類がある北海道産玉ねぎ

  • 北海道で栽培される玉ねぎは、大まかにF1品種と在来種に分けられます。 F1品種とは品種改良により誕生した品種で、「北もみじ2000」や「オホーツク222」という品種があります。 一般的な黄色の玉ねぎのほか、白や赤の玉ねぎもあります。
    サラダにぴったりな白色の玉ねぎは、「真白(ましろ)」という商品名で7月下旬から8月下旬に販売されており、生でも辛みが少なくみずみずしいのが特徴です。

  • 彩りの良い赤色の玉ねぎは、9月から翌年の3月頃に販売されており、黄色の玉ねぎと比べて果肉はやわらかく、ポリフェノールの一種であるアントシアニンを含むため健康野菜としても注目されています。
    一方在来種とは、昔から長く栽培されている品種で、地域の気候や土質に適した品種であり、その代表格に主に札幌で栽培されている「札幌黄」があります。 札幌黄は、F1品種と比べて栽培が難しく作付面積は限定的ですが、現在は「幻の玉ねぎ」とも評され、肉厚で加熱すると甘みやコクが増すのが特徴です。

安定供給と通年出荷へ。北海道産玉ねぎを全国に

  • 令和3年産玉ねぎの収穫量(農林水産省「令和3年度 野菜生産出荷統計」より)と流通時期

  • 北海道産玉ねぎの収穫期間は7月から10月までですが、生長が早く収穫が早い極早生(わせ)種から、中生(なかて)種、長期保管に適した晩生(おくて)種まで、それぞれの特徴が発揮される品種をバランス良く作付しています。出荷期間については、品種改良や冷蔵保管設備の充実により、8月から翌年の7月まで一年中出荷できるようになりました。以前は8月から翌年の4月までの出荷でしたが、5月以降も流通量は少ないですが、CA貯蔵により品質が保持された玉ねぎが出荷されています。


  • CA(Controlled Atmosphere)貯蔵とは、貯蔵庫内の酸素・二酸化炭素・窒素などのバランスを調整し、玉ねぎの発芽や発根を抑えて品質を保持する貯蔵方法です。
    また長期保管を可能にするには、それに耐えうる良品質な玉ねぎでなければなりません。風雪が厳しい雪深い時期から始まる日々の栽培管理と適期の収穫が必要です。特に収穫作業は、根切りをした後、畑で数日乾燥させるため、生育や天候の状況を見極め、絶妙なタイミングで行わなければなりません。
    北海道産玉ねぎは、全国の半分以上の出荷量がある産地として、品質も日本一を目指し生産者の方々が丹精込めて作っています。 ぜひ、たくさん食べて生産者の応援をお願いします!

11月2日は「北海道玉ねぎの日」

  • 11月2日は、「11(いい)02(オニオン)」と読む語呂合わせと、この時期に北海道産玉ねぎの出荷がピークになることから、令和4年に、全道青果物取扱対策会議とホクレンが共同で「北海道玉ねぎの日」に制定しました。記念日を通して、収穫への感謝と玉ねぎを消費者に届けられる喜びを伝え、北海道産の玉ねぎをより多くの人に知ってもらい食べてもらうことが目的です。
    今年も旨みがギュッと詰まったおいしい玉ねぎができました!ぜひ、煮物、炒めもの、サラダなど、毎日の料理にご利用ください。