北海道千歳市産
う米豚【おおやファーム×肉のサンビーム】

北海道には多くの人を夢中にさせる地元の豚肉があります。その名も「う米豚」(うまいとん)。地元のお米をエサに、地元で育てられた、とびきり“うまい”豚肉です。

う米豚【おおやファーム×肉のサンビーム】

夢を追う養豚農家 おおやファーム

北の大地の玄関口、千歳空港から東に10分ほど車を走らせると、広大な農地が広がる地域に入ります。その中に、とりわけ大きく真新しい畜舎が並ぶ場所がありました。それが、世界で唯一「う米豚」を育てる養豚農家、おおやファームでした。

代表の大矢さんが広い敷地を案内してくれました。今まさに建設中の豚舎が何棟もあります。「う米豚」はまだ北海道産の1%にも満たない希少な豚です。新しい豚舎が動き出せば、より多くのお客さんに届けられるようになります。大矢さんは、瞳を輝かせ、夢が詰まった設計図を見せてくれました。

夢を追う養豚農家 おおやファーム
おおやファーム代表の大矢さん

大矢さんがホクレンと二人三脚で「う米豚」を育てるようになってから10年が経ちました。ホクレンが作る北海道の米を配合した特別なエサを使い、おおやファームが育て方を確立する難しい挑戦でした。前例がない新しいエサにはリスクがつきものです。相談した誰もが「やめとけ」と反対しました。ですが、あの時の決断が無ければ、今のファームの姿は無かったと、大矢さんは振り返ります。

それほどに「う米豚」は、育てるプロをも惹きつける、可能性のある豚でした。今では北海道の多くの消費者に愛されています。道外のお客さんにも味わってもらうには、もっとたくさん育てないといけません。かつての広大な空き地に立ち並ぶ豚舎を眺める大矢さんの瞳は、まだまだ先を見つめていました。

肉屋 肉のサンビーム が驚いた脂身の甘さ

私たち消費者にいつも新鮮な豚肉を手渡してくれる肉屋にも、「う米豚」に魅了された人たちがいます。札幌市の住宅街にあり、半世紀以上も愛されてきた、肉のサンビームです。広々とした店内には、今も変わらずガラスの冷蔵ケースが並び、「う米豚」を中心に、地元北海道の肉を販売しています。

肉のサンビームは、対面販売にこだわり、お客さんとの会話を大切にする昔ながらの肉屋です。店長の大久保さんが、「う米豚」との出会いについて語ってくれました。それは10年前、おおやファームがまだ、新しい育て方に試行錯誤を繰り返していた頃です。苦労して育てた豚肉を、大久保さんは試食させてもらいました。

肉屋 肉のサンビーム が驚いた脂身の甘さ

クセがなくしっとり柔らかい肉質で、豚には珍しく赤身に適度にサシが入っていました。特に驚いたのは脂身でした。エサの米由来のオレイン酸を含み、しつこさは無く、甘みがあったのです。ご自身も料理が大好きな大久保さんは、あらゆる食べ方で「う米豚」を試しました。それまで店で扱っていた豚から「う米豚」に切り替えたのは、それからすぐのことでした。

お客さんの反応も上々でした。柔らかく甘味があって、しかもしつこくない豚。火を通し過ぎても硬くならないので料理もしやすいと言います。一度買ってくれた常連さんが、次もまた買っていきます。肉を売るプロでも、滅多に出会えない凄い豚だと確信しました。

2人のプロが追いかける一つの夢

肉のサンビームが「う米豚」を販売するようになって数年が経ったある日、大久保店長は、大矢さんと初めて食事に行くことになりました。育てるプロと売るプロ、2人の話は自ずと今後の「う米豚」のことになります。

「この豚はもっと良くなる。すごい可能性のある豚ですよ。」

大久保さんは、もうすでに十分美味しいと感じていましたが、更に上があると信じていました。

「まずは良い豚を安定して出せるように頑張りますよ。」

大矢さんは冷静に応じましたが、想いは確かに響いたと感じました。それからも、サンビームに毎週届けられる豚肉にナイフを入れる度、おおやファームの正直な仕事が伝わってきます。2人は、すでに同じ夢、「う米豚ドリーム」を追いかけるチームになっていました。自分に与えられた役割の中で、悩みながらもベストを尽くす。それが夢に近づく唯一の方法だと信じています。

2人のプロが追いかける一つの夢

夢に参加するシンプルな方法

北海道だけでなく全国のお客さんに「う米豚」を届けたい。この大きな夢は、2人のプロの仕事だけでは実現できません。そこには、私たち消費者の存在が欠かせないのです。

肉のサンビームでは、日々お客さんと店員のカウンターを挟んだ真剣勝負が続けられています。毎日でも飽きずに食べられる「う米豚」のこと、少しでも味に変化があればお客さんが気付きます。大久保店長は、お客さんが教えてくれる、わずかなヒントも見逃しません。これこそが、長年大切にしてきた対面販売の真骨頂です。

私たち消費者の「美味しかった」と喜ぶ声は、チームが夢を追う原動力になります。そして、私たちが見付けたヒントは、チームの次の宿題になります。この豚を食べて、素直に想いを伝えること、こんなシンプルな方法で私たちもチームの一員になれるのです。

先日、私も「う米豚」を買いに肉のサンビームを訪れました。大久保さんが勧めてくれたのは、とんかつ用の2僂發△觚切りのロース肉でした。

ジューシーで柔らかい魔法のような豚肉

「しっかり筋切りしたから柔らかいし、火の通りも早いよ。」

とんかつは、家庭で作るには勇気がいるメニューですが、大久保さんのアドバイスがその気にさせてくれます。しかも、「う米豚」は火を通しすぎても、ましては冷めたとしても、ジューシーで柔らかい魔法のような豚肉。これは挑戦するしかありません。

結果は、どうだったと思いますか?「う米豚ドリーム」を追いかけるチームの一員として、またお店に行きたくなりました。

鈴木 俊介

ライター・撮影
(株) REA 地元食コンサルタント

鈴木 俊介 SHUNSUKE SUZUKI

生産者と消費者がすぐ会える距離で生きる感動の食生活を提案。自分から半径160.1劼糧楼脇發悩遒蕕譴真べ物だけで生活する「100マイル地元食」チャレンジをブログで発信中。