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北海道は小麦の生産量日本一を誇ります。ただ、「小麦」自体を目にする機会ってほとんどありませんよね。スーパーなどで目にする小麦粉や、パンや麺といった食品での形がほとんどです。
今回は、「小麦」自体の種類やその違い、北海道産小麦の取組みなど、ホクレン麦類課の西村よりご説明いたします。
ホクレン農業協同組合連合会
農産部 麦類課
西村 崇志
Q.北海道産小麦について教えて!
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令和二年産全国小麦生産量
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北海道は小麦の生産量日本一で、全国の約65%の生産量を誇ります。
また、北海道では府県と異なり、2種類の作型で小麦を栽培しています。
ひとつは、前年の秋に種まきを行い、出た芽が冬を越して、雪解け後、生育して7月頃に収穫を迎える「秋播き小麦」。もうひとつは春に種まきを行い、8月頃に収穫を迎える「春播き小麦」です。
同じ小麦でも、秋播きと春播きでは生育期間も農作業の時期も異なります。 2種類の作型で小麦栽培を行えることも、北海道が府県と比べより多くの小麦を生産することができるひとつの理由です。
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〇秋播き小麦と春播き小麦の生育の違い
〇北海道産小麦の品種一覧
北海道で栽培している品種として代表的なものは、道内の作付面積の8割を占め、主にうどん(日本めん)用に使用される「きたほなみ」。
また、パンが作れる国産小麦として不動の人気を誇る「春よ恋」、“超”強力粉に分類される「ゆめちから」などがあります。
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小麦の人工交配
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北海道産小麦への期待、要望は強く、現在も多様な用途に応えるべく新しい品種開発の研究が続けられています。
品種を開発する際は「収量性」はもちろんのこと、「耐病性」「品質」「おいしさ」などあらゆる点をクリアするため日々努力が積み重ねられています。
一昔前までは、北海道産小麦は外国産小麦と比較し、品質が劣り、ブレも大きかったことから、外国産小麦とブレンド、つまり、“混ぜないと使用できない小麦”として流通していた時代がありました。
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小麦の試験圃場の風景
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しかし、過去から連綿と続く良品種の開発研究、生産者の栽培技術改善などの努力を積み重ね、今では高品質な北海道産小麦を安定的に供給できるようになりました。
今の北海道産小麦がブランドとしての地位を確立できたのも、これまでの努力の積み重ねがあったからこそだと感じています。
今後もおいしい北海道産小麦を多くの皆さまに味わっていただけるよう安定供給に努めてまいりますので、ぜひ北海道産小麦を使用した商品を召し上がっていただければ嬉しいです!
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新しい品種の一つとして、北海道初のお菓子用の小麦「北見95号」がデビューいたしました。
これまでの北海道産小麦と比べ、クッキーのサクサク感や、ケーキのふわふわ感がアップします!
消費者の皆さまの元に実際に届くのはもう少し先にはなりますが、お菓子をおいしく作ることができる北海道産の新しい小麦をぜひご期待ください!