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202301.12
私たちの暮らしを支える立役者
ホクレン農業協同組合連合会 農産部 でん粉課 藤田 周平
料理のとろみづけや揚げ物に片栗粉を常備されているご家庭も多いと思いますが、現在市販されている片栗粉の多くは、じゃがいも(馬鈴しょ)に含まれるでん粉から製造される「馬鈴しょでん粉」から作られています。 今回は、片栗粉だけでなく、私たちの暮らしを支える北海道産「馬鈴しょでん粉」について、ホクレンでん粉課の藤田よりご説明いたします。
さまざまな用途に利用されている「でん粉」
でん粉からつくられる主なもの
でん粉は、片栗粉などの食品用途だけでなく、工業用、医薬品など皆さんの暮らしにおいて身近なところで幅広く使われています。日本国内で消費されるでん粉には、国産でん粉の他に輸入とうもろこしを原料としたコーンスターチや、タピオカでん粉、EU馬鈴しょでん粉、でん粉誘導体(化工でん粉)などがあります。国産でん粉のうち、約8割が北海道産の「馬鈴しょでん粉」で、他に鹿児島の「甘しょ(さつまいも)でん粉」や「葛でん粉」などがあります。
馬鈴しょ(じゃがいも)の用途別仕向量(令和2年産)資料:農林水産省農産局地域作物課調べ
北海道産馬鈴しょでん粉は、加熱すると膨らみやすく、保水性と粘度が高い特徴があることから、片栗粉や飲料用甘味料(異性化糖)、水産練製品、菓子類、麺類などに用いられており、食品用途以外にも水産飼料、製紙、医薬品、段ボール、工業用(電子部品の製造)など幅広い分野で利用されています。 実は、北海道で生産されるじゃがいもの半量近くがでん粉原料となっており、道内各地にあるでん粉工場に運ばれて、例年9月中旬から11月上旬まで馬鈴しょでん粉の製造を行っております。
原料のじゃがいもには、理論上約20%程度のでん粉が含まれており、でん粉工場では、じゃがいもと水から物理的な精製作業を何度も繰り返し、漂白行為一切なしの真っ白なでん粉を製造しております。
じゃがいもをすりつぶし、液体状にします。
不純物を取り除き、でん粉粒子の純度を高めます。
約130℃の温風で、でん粉の水分値を18%以下まで短時間で乾燥させます。
80〜105μmのメッシュにて、でん粉粒子を整えます。※1μmは、0.001mm
紙袋25kg、フレキシブルコンテナバッグ1,000kgなどの製品に包装して、日本全国へ出荷!
北海道産100%の安心品質
北海道内のでん粉工場
姿を変えて様々な分野で利用され、知らないところで私たちの暮らしを支えている北海道産じゃがいもですが、近年、生産者の高齢化や病害の影響などにより、作付面積・生産量が減ってきております。安心安全な北海道産じゃがいもと馬鈴しょでん粉を日本全国に安定的にお届けするために、ホクレンは産地一丸となってじゃがいも生産を盛り上げてまいります。皆さまにもぜひ、じゃがいも生産者および北海道農業の応援を、よろしくお願いいたします!
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